重要文化財 多宝塔(萬徳寺)
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裳階は三間、面取角柱とし、斗きょうは裳階出組、支輪つきで、上層は和様の四手先斗きょうとし、上層高欄腰組に禅宗様の平三斗を用いる。これらの手法は性海寺多宝塔と近似点が多いが、裳階の軸部では性海寺の塔が四面とも中央間を戸口として幣軸をめぐらし、板唐戸をつり、脇の間に連子窓を設け、腰長押を通しているのに対し、萬徳寺では連子窓や腰長押がなく、戸口も正背面にあるのみで、側面は板壁になっている。また、斗きょう間の中備である蟇股もなく簡素な建物である。しかし、頭貫や木鼻、渦を用いない実肘木の絵様など類似点がいろいろあって、この塔は性海寺の塔を参考にして作っていることを思わしめる。
建立年次は不明であるが、室町時代の建立と認められている。
名称
多宝塔(タホウトウ)
文化財区分
重要文化財
種別
建造物
時代
室町
員数
1基
管理者
萬徳寺(マントクジ)
地区
小正
所在地
稲沢市長野三丁目
指定・登録日
明治34年3月27日指定
- 明治36年:解体修理
- 昭和35年:屋根葺替
- 平成2年:屋根葺替
多宝塔・鎮守堂の保存修理工事を行いました。
令和元年10月から令和2年6月まで、国庫補助事業として、国指定重要文化財建造物である多宝塔と鎮守堂の保存修理を実施し、完了しました。