稲沢市民病院のあり方検討について教えてください(令和8年9月23日受付)
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令和8年9月23日受付
ご意見・ご提言の要旨
- 市民病院が赤字であることを強く言われていますが、病院が黒字化するには病人を増やせばよいのではないでしょうか。
- 市民病院は赤字ですが、市役所も赤字ではないでしょうか。国の地方交付税が交付される「交付団体」ですよね。その点はどのようにお考えでしょうか。市役所も責任をとるべきではないでしょうか。もちろん、市長も副市長も教育長も市議会議員も市職員も全員です。仮に、全員一律で報酬・給与を30%程削減したら、いくら捻出されますか。
- なぜ、「稲沢市民病院のあり方検討委員会」なんか設置したのですか。しかも、なぜ、市民病院事務局でなく、市役所(総合政策部)にあり方検討委員会を設置したのですか。
- そもそもなぜ、あり方検討委員会なんか設置する必要があるのですか。市役所が責任逃れしたいだけではないですか。市長がさまざまな方の意見を聞いて判断すれば良いのではないですか。税金の無駄遣いだと思います。
- あり方検討委員会の委員は、どのような選考基準に基づいて選考されましたか。その選考過程を公表してください。特定の病院に対する指定管理者ありきで、進めていませんか。病院は金儲けする企業ではないと思います。地域医療が崩壊しませんか。前市長はそのようなことも考えて、公設公営にしたのではないでしょうか。
- 市長はなぜ、良い医師を確保するために大学医局へ足を運ばないのですか。前市長は足を運んでおり、その時の病院は良かったとも聞きます。
- あり方検討委員会を進めるにあたり、現場である病院職員の意見をなぜ聞かないのですか。病院内が混乱していると聞いています。また今後、パブリックコメントなど、市民の意見は聞いていただけるのですか。市民や現場の意見を聞かずに、勝手に決めるのですか。
回答の要旨
- 経営の理屈として、患者が増えれば収益が上がるというのは、医療機関の収支構造における事実です。
しかし、行政が自らの手で病人を増やし、市民病院を黒字化させたとしても、それは市民の皆さんの健康な暮らしを損なうことになります。
行政の目的は「市民の健康を守り、健康寿命を延ばすこと」であり、仮に病人を増やす努力をして収益を上げたとしても、行政としては本末転倒であり、それは行政が目指すべき姿ではないと考えております。 - 総務省の報道によると、令和8年度の普通交付税の算定結果では、国の普通交付税が交付されない「不交付団体」は全国市町村のうち約5.0%となっており、約95.0%の市町村が「交付団体」となっているものです。
地方交付税については、「所得税、法人税、酒税、消費税の一定割合および地方法人税の全額とされている地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するためのもので、地方の固有財源である。」とされており、その性格は、「本来地方の税収入とすべきであるが、団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地方団体が 一定の水準を維持しうるよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分する、いわば「国が地方に代わって徴収する地方税である。」(固有財源)」とされているものです。
このことから、普通交付税は赤字を補填するために交付されるものではなく、地方の固有財源(税)として一般財源に位置付けられておりますので、「交付団体」イコール赤字団体となるものではございません。
なお、本市の令和7年度一般会計の決算においては、地方交付税を含めた歳入決算総額から歳出決算総額を単純に差し引いた形式収支は、30億2,442万9,883円でございまして、そこから翌年度に繰り越す事業の財源などを引いた実質収支は26億8,493万683円の黒字となっているものでございます。
なお、市議会議員の報酬および市長、副市長、教育長の給料並びに市職員の給料の月額を30パーセント減額した場合、給料の減額に伴う手当の減額分を含めまして、一般会計で一月当たり1億209万2,934円となります。 - 近年の物価高騰や人件費の増加により、全国的に公立病院を取り巻く環境は急速に厳しさを増しています。本市においても市一般会計から稲沢市民病院へ繰出金を入れていますが、これまで以上の繰出を行わないと病院の運営ができなくなる事態も懸念されます。
市の財政状況が厳しい中、このまま稲沢市民病院への繰出金が増加し続けると、福祉や教育など他の市民サービスへの影響が生じる可能性があることから、市財政への影響を最小限に抑えながら、市民の皆さんに良質な医療を安定して提供し続けるためには抜本的な経営改革の検討が不可欠であり、有識者等の意見を広く聴取する目的で稲沢市民病院のあり方検討委員会を設置いたしました。
稲沢市民病院のあり方については、単に病院組織の中だけの問題にとどまらず、市全体の将来に関わる最重要の課題であると認識しております。これに加え、稲沢市民病院の事務局においては、現在の経営形態による運営を継続することを前提に、日々直面している厳しい経営状況の改善や現場での安定的な医療提供体制の維持に全力を注いでいただいており、議論の方向性によっては二律背反の状況が発生するおそれがあると判断いたしました。
市全体の将来を見据えた大局的な方針策定は市長部局である総合政策部が担い、現場の医療経営は稲沢市民病院事務局が守るという役割分担のもと、総合政策部に「病院経営対策室」を置き、この課題に取り組んでおります。
今回の稲沢市民病院のあり方検討委員会につきましても、議会において議決いただいた「稲沢市民病院のあり方検討委員会設置条例」に基づき、同室が事務局を務める形で進めたものでございます。 - 稲沢市民病院の今後のあり方は、市民の皆さんの生命と健康、そして将来の地域医療体制に直面する極めて重要な課題です。
ご指摘のように「さまざまな方の意見を聞く」ことは重要ですが、個別に意見を聴取するだけでは、その対象や内容が曖昧になり、特定の意見に偏るなど客観性や透明性を欠くおそれがあります。
また、仮にこのような重大な方針決定を行政の独断、あるいは不透明なプロセスで行った場合、市民の皆さんや市議会から「勝手に決めるべきではない」との批判を招きかねません。
そのため、条例に基づく諮問機関として、稲沢市民病院のあり方検討委員会を設置し、公開された場で専門的・客観的な議論を尽くしていただくことが、行政が客観的な判断を行う上で不可欠であると判断いたしました。
本市としても、市民の皆さんの大切な税金という意識を強く持っております。現在、全国の公立病院が直面している厳しい環境の中、もし現状のまま放置すれば、将来的に多額の税金を赤字補填的に投入し続けなければならない事態に陥る可能性があり、結果として他の市民サービスに影響を及ぼすことが考えられます。
稲沢市民病院のあり方検討委員会は意思決定を委ねる場ではなく、あくまで専門的・客観的な視点から答申をいただく諮問機関です。いただいた答申を尊重し、最終的にどのように地域医療を守るかについては、市が責任を持って検討・決定してまいります。 - 稲沢市民病院のあり方検討委員会の委員につきましては、「市民病院と直接的な利害関係がない、中立・客観的な視点での検証」を優先基準として選考いたしました。
特定の医局や組織に偏ることなく、市が求める医療面・行政面・経営面の各分野における高い専門性と市民病院と直接的な利害関係を持たない中立性を兼ね備えた候補者について、市民病院あり方検討支援業務委託の受託事業者(コンサルタント)が持つ全国的なネットワークも活用し、選定いたしました。特定の医療機関や法人等の参入を前提として検討を進めたものではありません。
公設公営(地方公営企業法全部適用)としてスタートした当時に比べ、現在の医療を取り巻く環境は、人口減少や急速な少子高齢化、また、急激な物価の高騰や伸び悩む診療報酬、医療人材不足など激変しております。病院は企業経営であり、高い理念と経営マインドの両立が求められます。良質な医療は健全な経営があってこそ成り立つものであり、病院の経営そのものが破綻してしまえば、結果として診療科の縮小や閉鎖を余儀なくされ、それこそが地域医療の崩壊を招くことになる可能性があると考えております。 - 市長におきましても、医局の教授と面談を重ねるなど医師確保に向けた活動を実施してまいりました。
しかしながら、近年の医療現場の逼迫、各大学医局自体が抱える医師不足など、社会情勢の複合的な要因もあり、個別の要望活動だけでは、市が真に必要とする診療科の医師を安定的かつ継続的に確保することが極めて困難となっているのが実情です。
過去の特定の時期における病院運営の状況と比較する声もございますが、当時と現在とでは、公立病院を取り巻く環境が大きく異なっております。
とりわけ、平成16年に導入された新臨床研修医制度、令和6年4月から開始された医師の働き方改革等により、全国的に大学医局が各公立病院へ医師を派遣する余裕自体が低下している状況であり、過去の手法(首長自らの要望活動等)に依存した医師確保には限界が生じております。
だからこそ、現状維持のまま放置せず、地域医療を守り抜くための次の一手として稲沢市民病院のあり方検討委員会を設置し、専門的かつ客観的な視点からゼロベースでの抜本的な議論を重ねてきた次第です。 - 稲沢市民病院のあり方検討委員会を進めるにあたり、現場で日々医療に従事している稲沢市民病院職員の声や不安に配慮することは、極めて重要であると認識しております。そのため、市民病院の経営企画会議に病院経営対策室の職員も同席して、進捗状況の報告を行うとともに、病院職員に対するヒアリングやアンケートも行ってまいりました。
一方で、今回の稲沢市民病院のあり方検討委員会は、稲沢市民病院が直面している極めて厳しい経営状況や市の財政状況等を踏まえ、先入観を持たず、外部の専門的かつ客観的な視点から、持続可能な地域医療提供体制の構築(現状体制での病院の持続可能性)をゼロベースで検証することを目的としております。
そのため、委員会の審議においては、特定の立場に偏ることなく、データや社会情勢に基づいたファクトベースの経営分析に重きを置いて進めてまいりました。
今後、稲沢市民病院のあり方に関する市の方針を決定するにあたっては、市民の皆さんや病院職員の方々のご意見を伺いながら説明を重ねていくことが重要であると考えております。
そのため、病院職員に対しては第4回稲沢市民病院のあり方検討委員会に関する新聞報道がされた直後に、また、9月25日に答申を受けた後にも、それぞれ説明会を開催いたしました。
市民の皆さんを対象とした説明会につきましても開催する方向で準備を進めております。具体的な日時や場所などの詳細につきましては、今後の市広報やホームページ等を通じて市民の皆さんに広くお知らせする予定です。
担当課 総合政策部 秘書政策課・総務部 財政課
注意:上記の内容は回答した時点でのものであり、回答以降内容が変わる場合があります

