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あしあと

    稲沢市民病院の「あり方」について、問いたい(令和8年9月7日受付)

    • [更新日:]
    • ID:6031

    令和8年9月7日受付

    ご意見・ご提言の要旨

    稲沢市民病院のあり方検討委員会に強い違和感を覚えます。特に第3回以降、議論の中心が「病院の役割」から「経営形態」「指定管理」へ急速に傾いたことです。
    13億円を超える赤字は重大です。しかし、その数字だけを見せれば、「そんなに赤字なら民間に任せればいい」と市民が反応するのは当然です。けれど、その13億円は本当にすべて「経営の失敗」なのでしょうか。物価高、人件費、減価償却、診療報酬の影響、さらに救急・災害・感染症対応など、市民の命を守るために必要だった費用まで、ひとまとめに「赤字」としていないでしょうか。何が経営上の問題で、何が公立病院として必要な負担なのかを分けて示してください。
    そして、過去ではなく「今の市民病院の価値」も同じ強さで伝えてください。救急、地域包括ケア、訪問看護、ナースカー、災害拠点病院、DMAT。コロナ禍では、この地域でいち早く手を挙げ、患者を受け入れています。市民の励ましを受けながら、現場の方は誇りを持って地域医療を守ってきたはずです。
    「なぜ今、経営形態を変えるのか」「今のままでは何が困るのか」「指定管理で何が良くなるのか」「逆に何を失うのか」「市民の医療はどう変わるのか」。これを、誰が見てもわかるように示してください。そして、有識者の言葉だけで地域医療の未来を決めず、現場と市民の声を聞いてください。医療の価値を最も知っているのは、現場と市民です。
    2040年を見据えれば、稲沢市民病院は救急・在宅・介護・地域をつなぐモデルになれる可能性があります。子育て支援を市の強みとして発信できるなら、医療も「高齢になっても安心して暮らせる稲沢」というブランドにできるはずです。
    赤字を減らすことが目的なのか。稲沢市の未来を守ることが目的なのか。市民が理解し、自分で判断できる説明を求めます。

    回答の要旨

    貴重なご意見、ありがとうございます。
    まず、稲沢市民病院の公営企業会計(病院事業会計)は、一般の行政サービスとは異なり、企業経営と同様に「提供した医療サービスの収益(診療報酬など)で、経費(人件費や材料費など)を賄う」という独立採算制が前提となっています。
    しかし、公立病院である以上、採算性の低い医療(救急医療・小児医療など)も担わなければなりません。こうした公立病院として必要な負担については、市の一般会計(市の税金)から繰出金として毎年10億円近くを病院事業会計に入れています。
    「公立病院だから採算が合わなくても仕方がない部分」は、市の税金ですでにカバーしている(=穴埋めしている)状態であり、それでもなお、13億円を超える赤字が出ているのが現状です。
    昨今の急激な物価高騰、医療資材の値上がり、近年の人事院勧告による給与水準の引き上げや診療報酬改定の抑制などは、稲沢市民病院だけでなく、全国の公立病院の経営に大きな影響を与えています。
    (※人事院勧告とは民間の賃上げや物価高に合わせて公務員の給与を適正に改定する仕組みです)。
    こうした現在の医療を取り巻く厳しい外部環境については、あり方検討委員会でもしっかりと説明し、委員の皆さんにも共有されています。13億円を超える赤字が、決して「現場の努力が足りない」とか「すべてが経営の失敗だ」と断定しているわけではありません。
    しかしながら、重大な問題の1つとして、病院事業会計の手元資金が底を突きかけているという事実があります。企業と同じで、いくら公立病院であっても口座にお金がなくなれば取引先への支払いもできず、最悪の場合、病院職員の毎月の給料すら支払えなくなる可能性も否定できません。
    「市民病院の資金不足は全て市が支えれば良い」との考え方もありますが、市の一般会計もまた、市民の税金で成り立っています。仮に市民病院だけにこれ以上の支援を続けると、他の行政サービス(福祉や教育、道路整備など)を削ることになり、市民全体のサービス低下に繋がる可能性があります。
    記載いただきましたとおり、コロナ禍において市民病院が重要な役割を果たしたことに疑いの余地はありません。また、救急、地域包括ケア、訪問看護、ナースカーなどは市民病院の職員が高い使命感を持って取り組んできた市民病院の強みと言えるものであり、今の市民病院の姿として、あり方検討委員会でもきちんと説明をしてきました。
    現在の状況はあくまで「あり方検討委員会としての方向性が固まった」という段階であり、これがそのまま「市の方針」として最終決定されたわけではありません。
    市としての方針につきましては、委員会からの答申を受けた後、慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
    病院の経営形態を変えるということは、委員会でご意見がありましたようにさまざまな課題を解決する効果が見込めますが、一方で、市民の皆さんにとっても、病院職員にとっても極めて重大な出来事です。
    だからこそ、もし今後、市として経営形態を変更するような判断を行う場合には、その理由や背景、あくまでも地域医療の未来を守ることが目的であること、そして、これからの医療体制について、市民の皆さんや病院職員に丁寧に説明をしながら進めなければならないと考えております。

    担当課 総合政策部 秘書政策課

    注意:上記の内容は回答した時点でのものであり、回答以降内容が変わる場合があります