令和7年第2回稲沢市議会3月議会において、再審法(刑事訴訟法の再審規定)の見直しに向けた速やかな議論を求める意見書を提出しました
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意見書の全文は、次のとおりです。
現在の刑事訴訟法においては、冤罪被害者を救済するための制度として「再審」がある。58年前の事件で逮捕され、死刑が確定した袴田巌さんの再審で無罪が言い渡された判決について、令和6年10月9日、検察は控訴の権利を放棄する手続を取り、袴田さんの無罪が確定した。
このような冤罪に関する報道を契機として、近年、再審制度に対する社会の関心も高まりつつあり、超党派の国会議員によっても「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」が設立されている。日本弁護士連合会においても、再審請求手続における全面的な証拠開示の制度化の実現、再審開始決定に対する検察官による不服申立ての禁止を含む再審法の速やかな改正を求める決議が採択され、これらの実現に向けて、2022年6月に「再審法改正実現本部」を設置している。
過去の冤罪事件では、警察や検察庁といった捜査機関の手元にある証拠が再審段階になって明らかとなり、それが冤罪被害者を救済するための大きな原動力となったことも多々ある。したがって、冤罪被害者を救済するためには、捜査機関の手元にある証拠を利用できるよう、これを開示させる仕組みが重要であると思われる。
また、再審開始決定に対する検察官の不服申立てによって、審理が長期化し、冤罪被害者の救済が遅延することが指摘されている。再審請求手続における手続規定に関しては、再審法に規定が少なく、裁判所の訴訟指揮により大きな差が生じうることもあるため、再審請求手続における手続規定を整備する必要があるとの意見もある。
よって国におかれては、冤罪被害者を迅速に救済するための議論を速やかに行うよう要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年3月25日
愛知県稲沢市議会