令和5年度地方税制改正の概要
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令和5年度地方税制改正の主な内容をお知らせします。

1 固定資産税(都市計画税)

(1)中小事業者等の生産性向上や賃上げの促進に資する設備投資に係る特例措置の創設
物価上昇等の現下の経済状況を踏まえた2年間の時限的な措置として、中小事業者等の生産性の向上や賃上げの促進を図るため、中小事業者等が令和5年4月1日~令和7年3月31日に、中小企業等経営強化法に規定する認定先端設備等導入計画に従い取得した生産性向上に資する一定の機械・装置等に係る固定資産税の課税標準について、最初の3年度分に限り、「2分の1」とします。
また、同計画に賃上げ目標を盛り込んだ場合は、最初の5年度分(令和6年4月1日以降に取得した場合は、最初の4年度分)に限り、課税標準を価格の「3分の1」とします。
※令和3年4月1日~令和5年3月31日に取得した一定の機械・装置等、事業用家屋および構築物については、最初の3年度分に限り、課税標準額をゼロとする従来の特例を適用します。

(2)わがまち特例の創設・見直し・延長
「わがまち特例」(地域決定型地方税制特例措置の通称)とは、従来、国が一律に定めていた特例割合について、法律の定める範囲内で市が条例に定めることができる仕組みです。

長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに係る固定資産税の減額措置の創設
築40年以上の高経年マンションの急増が見込まれる中、必要な修繕積立金の確保や長寿命化に資する大規模修繕工事の実施に向けた管理組合の合意形成を後押しするため、新たな特例措置を創設します。
一定の要件を満たすマンションについて、長寿命化に資する一定の大規模修繕工事(※)を令和5年4月1日~令和7年3月31日に実施した場合、当該大規模修繕工事が完了した翌年度分の建物に係る固定資産税額(1戸あたり100㎡相当分まで)を「3分の1」に相当する額を減額します。
※外壁修繕または模様替えを含む大規模な工事(屋根防水工事、床防水工事、外壁塗装等工事)
【主な要件】
- 築後20年以上が経過している10戸以上のマンションであること
- 大規模修繕工事を過去に1回以上適切に行っていること
- 長寿命化に資する大規模修繕工事を適切に実施するために必要な修繕積立金が確保されていること

洪水浸水想定区域内等にある地下街等の浸水防止設備に係る課税標準の特例措置の延長
洪水浸水想定区域・雨水出水浸水想定区域・高潮浸水想定区域内の地下街等の所有者・管理者が、水防法に規定する避難確保・浸水防止計画に基づき、平成29年4月1日~令和8年3月31日[3年延長]に取得した地下街等における一定の浸水防止設備(※)の固定資産税の課税標準を、最初の5年度分に限り、「3分の2」とします。
※防水板、防水扉、排水ポンプおよび換気口浸水防止機

企業主導型保育事業に供する固定資産に係る課税標準の特例措置の見直し・延長
平成29年4月1日~令和6年3月31日[1年延長]に子ども・子育て支援法に基づく企業主導型保育事業の補助を受けた者が当該補助に係る施設の用に供する固定資産に係る固定資産税および都市計画税の課税標準について、補助開始日の属する年の翌年の1月1日を賦課期日とする年度から5年度分に限り、課税標準を「2分の1」とします。

2 軽自動車税

(1)環境性能割の税率区分の見直し
半導体不足等により納車の遅れが長期化している状況を踏まえ、異例の措置として、現行の税率区分を令和5年12月末まで据え置きます。
また、電動車の一層の普及促進を図る観点から、各税率区分における燃費基準達成度を3年間で段階的に引き上げます。
[税率区分・特例]
- 令和5年4月~令和5年12月末:現行の税率区分を据置
- 令和6年1月~令和7年3月末:燃費基準達成度について1段階目の引上げ
- 令和7年4月~:2段階目の引上げ
対象車 | 性能に関する要件 現行 | 性能に関する要件 令和6年1月1日以後 | 性能に関する要件 令和7年4月1日以後 | 税率 自家用 | 税率 営業用 |
---|---|---|---|---|---|
電気軽自動車・天然ガス軽自動車(※1) | - | - | - | 非課税 | 非課税 |
ガソリン軽自動車 乗用 (ハイブリッド車を含む)(※2) | 令和12年度基準75%達成 かつ令和2年度基準達成 | 令和12年度基準80%達成かつ令和2年度基準達成 | 非課税 | 非課税 | |
ガソリン軽自動車 乗用 (ハイブリッド車を含む)(※2) | 令和12年度基準60%達成 かつ令和2年度基準達成 | 令和12年度基準70%達成 かつ令和2年度基準達成 | 令和12年度基準75%達成 かつ令和2年度基準達成 | 1% | 0.5% (※3) |
ガソリン軽自動車 乗用 (ハイブリッド車を含む)(※2) | 令和12年度基準55%達成 | 令和12年度基準60%達成 かつ令和2年基準達成 | 令和12年度基準70%達成 かつ令和2年基準達成 | 2% | 1% (※3) |
ガソリン軽自動車 2.5t以下のトラック (ハイブリッド車を含む)(※2) | 平成27年度基準+25%達成 | 令和4年度基準+5%達成 | 令和4年度基準+5%達成 | 非課税 | 非課税 |
ガソリン軽自動車 2.5t以下のトラック (ハイブリッド車を含む)(※2) | 平成27年度基準+20%達成 | 令和4年度基準達成 | 令和4年度基準達成 | 1% | 0.5% (※3) |
ガソリン軽自動車 2.5t以下のトラック (ハイブリッド車を含む)(※2) | 平成27年度基+15%達成 | 令和4年度基準95%達成 | 令和4年度基準95%達成 | 2% | 1% (※3) |
上記以外 | 2% (※3) | 2% (※3) |
(※1)平成30年規制適合のものまたは平成21年規制からNOx10%低減達成のものに限ります。
(※2)「上記以外」を除き、平成30年規制からNOx50%低減達成または平成17年規制からNOx75%低減達成のものに限ります。
(※3)当分の間の特例措置です。

(2)種別割のグリーン化特例(軽課)の適用期限の延長・見直し
下表のとおり適用期限を延長するとともに、営業用乗用車については、その適用対象を電気自動車等に限定するよう段階的に重点化します。
新車を取得した日の属する年度の翌年度分のみ税率を軽減します。
対象車 | 燃費性能に関する要件 | 軽減割合 |
---|---|---|
電気軽自動車・天然ガス軽自動車(※1) | - | 概ね75%軽減 令和8年3月31日取得分まで3年延長 |
ガソリン軽自動車 乗用 営業用 (ハイブリッド車を含む)(※2) | 令和12年基準90%達成かつ令和2年基準達成 | 概ね50%軽減 令和8年3月31日取得分まで3年延長、その後廃止 |
ガソリン軽自動車 乗用 営業用 (ハイブリッド車を含む)(※2) | 令和12年基準70%達成かつ令和2年基準達成 | 概ね25%軽減 令和7年3月31日取得分まで2年延長、その後廃止 |
ガソリン軽自動車 乗用 自家用 (ハイブリッド車を含む)(※2) | 軽減なし | 軽減なし |
ガソリン軽自動車 貨物 (ハイブリッド車を含む)(※2) | 軽減なし | 軽減なし |
(※1)平成30年規制適合のものまたは平成21年規制からNOx10%低減達成のものに限ります。
(※2)平成30年規制からNOx50%低減達成または平成17年規制からNOx75%低減達成のものに限ります。

(3)特定小型原動機付自転車の車両区分創設に伴う対応
令和4年4月の改正道路交通法において、一定の要件(※1)を満たす電動キックボード等は、原動機付自転車のうち「特定小型原動機付自転車」として定義されました。特定小型原動機付自転車に係る軽自動車税種別割の税率は、現行の原動機付自転車と同様に引き続き2,000円とします。
(※1)電動機の定格出力が0.6kW以下であって長さ190cm・幅60cm以下かつ最高速度20km/h以下のもの

地方税法上の車種区分
原動機付自転車
- 50cc以下または定格出力0.6kW以下
※特定小型原動機付自転車はこの区分に含まれます
税率:2,000円 - 50cc超90cc以下または定格出力0.6kW超0.8kW以下
税率:2,000円 - 90cc超125cc以下または定格出力0.8kW超1.0kW以下
税率:2,400円 - ミニカー
税率:3,700円