稲沢のむかしばなし きつねのいたずら(稲沢市北島町)
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稲沢市の南部にある北島町の南天神社の「きつねのいたずら」と言うおはなしです。
この神社には、松や杉などがこんもり茂っていて、百年くらい前まだはきつねが住んでおった。
さて、ある日の夕暮れのこと。北島の五平さんは、しんせきで酒をたっぷりごちそうになり、おみやげの稲荷ずしを手に、歌いながら帰ってきた。
ちょうど天神様にさしかかったとき、一軒家の前で美しい娘さんに声をかけられた。
「五平おじさん、こんばんは。」
「ういっ、あんたは誰だったかのう。」
「いやーねぇおじさん。私、となりのおみよじゃないの。」
「へー。こんなべっぴんだったかいのう」
「やーだぁ。お酒によっているせいよ。おじさん。この家、、私のしんせきなの。ちょっとよっていってくださいな。」
きれいな娘に誘われた五平さんは、うれしくなって家の中に入り、いろいろなもてなしを受け、そのうちに、グゥグゥとねむってしまいました。
朝になって気がついてみると、美しい娘はおらず、家の中にいると思ったらこれが草入れの小屋おまけに稲荷ずしが土にかわっているではないか。
五平さんは、ガックリと肩をおとし、すぶぬれの着物を着たまま家に帰った。
村の人達はこの姿を見て、「五平さんが、きつねにばかされた。アハハハ。」と大笑いしたそうじゃ。