松くい虫の被害について
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7月まで元気だった松が、8月から9月の短期間のうちに葉があざやかな赤褐色に変色していることはありませんか。
暑さや乾燥が原因と思われるかたが多いですが、松くい虫被害の可能性が高いです。これまで市内では松くい虫の被害はあまり耳にしませんでしたが、ここ最近になって被害事例が増加しています。
枯れ方に特徴があり、古い葉(2~3年生の葉)に変色やしおれが表れ、その後今季伸びた新しい葉(根本寄りから先端)へと進行します。葉は赤褐色に変わり、そのあと色が薄れて落葉してしまいます。



松くい虫の生態
松が枯れる原因は、左下の写真の線虫(マツノザイセンチュウ)が原因です。この線虫の食害により、健康な松も1か月後には樹脂が出なくなり、葉が赤くなって枯れ始めます。そして、この線虫を松から松へ運ぶのが右下の写真のカミキリ(マツノマダラカミキリ)です。枯れた松にカミキリが卵を産みつけ、孵化後カミキリの体内に線虫が入りこみ、翌年春にはカミキリ・線虫ともに他の松へ旅立ちます。
【左:マツノザイセンチュウ、右:マツノマダラカミキリ(画像出典:国土技術政策総合研究所ホームページ)】



被害にあってしまったら
松くい虫の被害にあうと、松を助ける方法はありません。被害にあった松を適切に処理しないとさらに被害が広がってしまいます。また、そのまま放置すると、枝折れや倒木などの恐れがあり、大変危険です。
庭や神社、墓地などにある被害のあった松の処理は市では行いませんので、造園業者や駆除業者にご相談の上対応をお願いします。他の松に被害を広げないためにもご協力ください。

松くい虫被害の予防
被害にあってしまった松を助ける方法はありませんが、以下の方法で予防することはできます。
- 樹幹注入【健康な松の木に穴を開け、線虫の侵入を防ぐ薬剤を注入し、松枯れを予防する。】
- 薬剤散布【前もって5月~6月に殺虫剤を散布し、飛来したカミキリを毒により死亡させる。】
より詳しい内容は、林野庁のホームページをご確認ください。