ジャンボタニシの生態および防除
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ジャンボタニシとは
ジャンボタニシ(スクミリンゴカイ)は南米原産の淡水産巻貝で、食用目的として輸入されましたが、貝の放棄、養殖場から逃げ出したものが野生化しました。

生態
- 卵はピンク色で、用排水路のコンクリート壁面、稲や雑草の茎等に数十~数百個の塊で産みつけられ、25℃の温度条件で2~3週間でふ化する。ふ化した稚貝は2ヶ月程(夏季)で成貝となり、繁殖を始める。
- 水生植物(ウキクサ、アゼナ等)を摂食し、稲では田植え後2~3週間までの若い苗を好んで摂食する(やわらかい植物を好む)。
- 秋に水温が低下してきたり、水田が落水されたりすると土中に浅く潜り込み、翌春まで越冬する。

防除方法


1 貝、卵塊の捕殺
水田や水路で貝や卵塊を見つけたら、早期に徹底的に捕殺(つぶすなどして処分)する。また、水口に網を張りジャンボタニシの侵入を防ぐ。

2 浅水管理
田植え後、2週間頃まではできるだけ浅水管理をする。そのため、田面をできるだけ均平にする。

3 スクミノン散布
田植え後ジャンボタニシを確認したら直ちに散布する。
水深3~5cmの状態で均一に散布し、散布後7日間は水を保ち、落水やかけ流しをしない。
- 薬剤名:スクミノン
- 使用量:2~4kg/10a
- 使用時期:移植後、ただし収穫60日前まで
- 使用回数:2回以内

4 石灰窒素散布
稲刈り後、石灰窒素(農薬登録があるもの)を水が温かい時期(水温15℃以上)に散布する。

手順
- 水温15℃以上の時に3~4cmに水を張り、2~3日放置して貝の活動を促す。
- 石灰窒素20~30kg/10aを全面にむらなく散布して、3~4日間放置する。
- 田面水は必ず自然落水して、田面が乾いたら耕うんする。

石灰窒素散布の注意点
- 肥料分が残る可能性があるため、収穫後の早い時期に実施する。
また、肥もちのよいほ場は翌年作の元肥量に注意する。 - 散布時は隣接の作物にかからないように十分注意する。(薬害)
- 急毒性があるので、降雨前の散布、ほ場外への漏水等に十分注意する。

5 冬季耕起
冬季に2~3回耕起すると、土壌を乾かすとともに、貝を寒気にさらして越冬貝の生息密度を下げるのに大変有効。
貝をつぶすようにゆっくりと耕起する。(ロータリー回転は速く、走行速度を遅く)