下水道に接続しましょう（接続状況）

私たちは日々の生活の中で多くの用途で水を使用しています。私たちが使用した水は、最終的には川、そして海へと流れていきますが、汚れた水をそのまま流すと、水が流れる経路上およびその周辺の環境・衛生面に悪影響を与えてしまいます。

下水道は環境・衛生面への悪影響が最も生じない処理方法で、市街化区域および人の多い住宅街等に整備を進めています。下水道が使用できる区域（供用開始区域）では、区域にお住まいの皆さんが下水道に接続することにより、まちがきれいになり、住み心地がよくなりますので、下水道の供用開始後は、できる限り早期の下水道への接続をお願いします。

令和5年3月末時点の稲沢市内の下水道への接続状況は次のファイルのとおりです。

私たちが各家庭で使用した水は、宅内の排水設備によって流れる経路や処理方法などが異なります。ここでは、浄化槽と下水道の排水の仕組みや経路を比較していきます。

浄化槽の場合、家庭内の排水を浄化槽で綺麗にしてから側溝に流します。

単独浄化槽の場合はトイレの水しか浄化槽で処理されないため、キッチンの油汚れや食べ物の小さな破片、洗剤、お風呂の石鹸類や垢などはそのまま側溝に流れてしまいます（上図の点線部）。合併浄化槽の場合は家庭内の排水は全て浄化槽で処理するため、基本的には家庭内の排水がそのまま側溝に流れることはありません。ただし、経年劣化により破損や処理能力の低下が生じた場合、処理が不十分な水が側溝に流れてしまいます。

側溝に汚れた水が流入・滞留していると、下図のように環境・衛生面に悪影響を与えてしまいます。

下水道の場合、家庭内の排水は全て道路の中に敷設された下水道管に直接流れ、最終的に浄化センターで各家庭の排水をまとめて処理して川に流します。そのため、側溝に家庭内の排水が流入することはなく、環境への悪影響が生じにくい構造になっています。また、浄化センターでは一般家庭の浄化槽での処理以上に浄化・管理を徹底していますので、川の水質への悪影響はありません。

なお、下水道には雨水だけを側溝に流す「分流式」と雨水も下水道管に流す「合流式」がありますが、稲沢市では「分流式」を採用しており、雨水だけが側溝に流れます。

下水道の供用が開始された区域では、法律上、以下の義務が定められています。

• 排水設備の設置等
  土地所有者、使用者または占有者は、下水道の供用開始後「遅滞なく」下水道の接続に必要な排水設備を設置しなければならない（下水道法第10条第1項）
• 汲み取り便所の水洗化義務
  下水道の供用開始から3年以内に水洗化（下水道への接続に限る）しなければならない（下水道法第11条の3第1項）

汲み取り便所以外の場合の下水道への接続期限は、法的には「遅滞なく」（過去の裁判例に従うと「正当または合理的な理由がない限り」）という表現のみのため、具体的な期限は設定されていません。しかし、下水道による環境・衛生面の利益は、地域全体で下水道に接続し、汚れた水が側溝に流れない状態にすることで最大化します。そのため、下水道の供用開始後は可能な限り早期に下水道に接続いただきますようお願いします。

下水道の供用開始後3年以上経過した区域で、下水道に未接続のお宅を対象に、下水道の接続PRを実施しています。市の担当職員がチラシ等を持って訪問しますので、御了承ください。
また、借地・借家やアパート・長屋等、居住者と所有者が異なる場合は、定期的に郵送等で土地・家屋の所有者のかたに下水道の接続PRを実施しています。

道路内への下水道管の敷設は市で行いますが、敷地内の下水道への接続にかかる工事は、下水道の供用開始後に各々で排水設備指定工事店に依頼していただくこととなります。工事にかかる金額は業者により異なりますので、数社から見積を徴取して依頼する業者を決めることをお勧めします。

• 稲沢市排水設備指定工事店