今月のOguiss
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これまでの今月のOguiss
「広報いなざわ」では毎号、荻須高徳の作品を1点ずつ紹介する”今月のOguiss”を連載しています。ここでは、これまで掲載した”今月のOguiss”を紹介します。
4月号 《洗濯場》
洗濯船と呼ばれる平底船での洗濯の様子が描かれ、揺れる水面が巧みに表現されています。古くからパリの人々はセーヌ川で洗濯をし、最盛期には約100隻もの洗濯船がセーヌ河岸に並びましたが、家庭用上下水道の普及により姿を消し、1937年に最後の洗濯船が閉鎖されました。荻須は消えゆくパリの風景を作品に描き留めたのです。

《洗濯場》1936年 油彩・カンヴァス 65.0×81.0cm 🄫LES AMIS D’OGUISS 2025
5月号 《ポスターの壁》
渡仏して3年後に描いた作品です。この年、荻須はパリで初めて個展を開催し高く評価されました。本作品は、色とりどりのポスターが所せましと貼られた街角を描いた華やかな作品です。細い筆を使いリズミカルに描いた文字などに、荻須作品の初期の特徴である踊るような軽快な線描を見ることができます。

《ポスターの壁》1930年 油彩・カンヴァス 60.0×73.0cm 🄫LES AMIS D’OGUISS 2025
6月号 《シャンティー城》
湖畔にたたずむシャンティー城が水彩によって爽やかに描かれ、優美な印象の作品です。この城は19世紀にルネサンス様式で再建されました。パリから電車で1時間弱の郊外にあり、荻須は妻子や友人を連れて訪れています。狩猟を好んだ城主により巨大な厩舎が建てられ、現在では人と馬の歴史に関する展示や馬術ショーが行われる人気の観光地です。

《シャンティー城》1954年 水彩・紙 24.5×32.0cm 🄫LES AMIS D’OGUISS 2025
