過去の特別展・企画展2011-2015
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2011(平成23年度)
生誕110年記念 荻須高徳展 憧れのパリ、煌めきのベネチア
会期
平成23年10月29日(土曜)-12月18日(日曜)
主催
稲沢市荻須記念美術館・朝日新聞社
協力
日本航空
内容
この展覧会は、稲沢出身で文化勲章を受章した洋画家、荻須高徳(1901-1986)の生誕110年を記念し開催しました。
荻須は25歳で渡仏してから84歳で亡くなるまで、パリに住み、歴史がしみ込んだ石造りの建物や街並みを描き続けました。薄曇りの光に照らされた灰色のパリの風景は、人影があまりなくても、そこに暮らす人々の生活まで表出しています。そして、パリとは対照的な明るい日差しを求めて、たびたび長期滞在をしたのがベネチアでした。温かみのある赤い壁が運河の水に煌めく風景に、故郷の河川を思い出したのかもしれません。ここでも荻須は、豪華な宮殿よりも、細い運河や長い年月を経て苔が生え、傾い建物に目を向けました。生涯のテーマともいえる2つの古都、パリとベネチアを描いた作品など90点を展示し、荻須を惹きつけたパリとベネチアの魅力を探りました。
2012(平成24年度)
ジョルジュ・ルオー展 -光のさす方へ-
会期
平成24年10月27日(土曜)-12月2日(日曜)
主催
稲沢市・稲沢市教育委員会・稲沢市荻須記念美術館
協力
パナソニック汐留ミュージアム、出光美術館
助成
芸術文化振興基金
内容
当館の顕彰画家、荻須高徳(1901-1986)は渡仏した際に、ジョルジュ・ルオー(1871-1958)の作品にもっとも魅了されたと語っています。
ルオーはキリストや道化師を数多く題材にし、この対象の中に飾り気の無い「純粋な祈り」を見出しました。厚く塗り重ねた絵具、力強い筆づかい、はっきりとした輪郭線で独特の画風を確立し、世間の評価に惑わされることなく、自分の芸術を追い続けました。
今回の展覧会では、風景を生涯のモチーフに選んだ荻須高徳が人物を多く描いたルオーの作品に魅了されていた一面を基に、銅版画「ミセレーレ」を中心として、表情豊かな作品の数々からその魅力を紹介しました。
2013(平成25年度)
市制55周年 開館30周年記念特別展 日本画家が描いた西洋風景-滞欧作を中心として-展
会期
平成25年10月26日(土曜)-12月8日(日曜)
主催
稲沢市・稲沢市教育委員会・稲沢市荻須記念美術館
共催
笠岡市立竹喬美術館
助成
芸術文化振興基金、財団法人自治総合センター
内容
当館の顕彰画家である荻須高徳(1901-86)は西洋芸術を直接体感し、洋画発祥の地であるヨーロッパに制作拠点を置き、西洋芸術を直接体感し、街角の風景を描き続けました。西洋文化を享受し、研究に励んだのは洋画家のみに限らず日本画家にとっても同じでした。
今回の展覧会では、西洋絵画が流入する中、滞欧経験を経て一方的な西洋への憧れを脱却し、日本や中国の古典絵画を見直すきっかけとした第一世代と第二次世界大戦後、純粋に西洋の風物景観を描きたいとの欲求を持っていた世代の二つの視点のもと、第1部「西洋絵画の研究」として竹内栖鳳ら12名の明治時代末期から第二次世界大戦前の作品を、第2部「西洋を描く」として堂本印象ら9名の第二次世界大戦後から海外が身近になった1970年頃までの作品、合計84点の滞欧作を中心に展示し、画家の個性を越えて、日本と西洋の美意識が交錯するさまを紹介しました。
2014(平成26年度)
特別展 小磯良平展
会期
平成26年10月25日(土曜)-12月7日(日曜)
主催
稲沢市・稲沢市教育委員会・稲沢市荻須記念美術館
協力
神戸市立小磯記念美術館
内容
当館の顕彰画家である荻須高徳(1901-1986)と、小磯良平(1903-1988)は東京美術学校の同級生であり、ともに藤島武二のもとで学びました。二人は同時期に渡仏した後、荻須はフランスで人間の息づかいのする街角風景を、小磯は日本で優美で気品に満ちた女性像を多く描き、独自の絵画世界を作り上げました。
小磯は「ヨーロッパの古典的な技法を歴史の浅い日本の洋画に根付かせる」「アカデミズムを貫きつつ独自性を出していきたい」との強い決意を持ち、洋画の歴史的な重要性を深く認識、研究した上で、西洋の模倣ではない新たな自己表現に取り組み続けました。
今回の展覧会では、美術学校時代から晩年までの油彩画など約40点により、画家小磯良平の魅力を紹介しました。
2015(平成27年度)
企画展 磯野宏夫展-生命・緑の輝き-
会期
平成27年7月18日(土曜)-8月16日(日曜)
主催
稲沢市・稲沢市教育委員会・稲沢市荻須記念美術館
助成
芸術文化振興基金、一般財団法人自治総合センター
内容
稲沢市に制作拠点を置き、全国的な活躍をした画家、磯野宏夫(1945-2013)は、生命感みなぎる自然のエネルギー、美しさに感銘を受け、「人間と自然が共存する森の世界」を生涯のテーマとしました。光に満ち溢れ、豊かな大地に生命が煌めく、表情豊かな作品からは、画家の自然への畏敬の念や、生命への温かな眼差しが感じられ、多くの人々の心を魅了し続けています。
今回の展覧会では、2013年5月に急逝した故人のアクリル画など約60点から稲沢市を中心とした画家の画業を紹介しました。