ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

チャットボットに質問する

ページID検索の使い方

広報いなざわに記載の「ページID」を入力

あしあと

    市長あいさつ(令和2年度)

    • [更新日:]
    • ID:1652

    令和3年3月

    コロナウイルス感染症対策、ワクチン接種事業、東京オリンピック・パラリンピックの開催の行方など、難題や不透明な問題を多く抱え、年度末を迎えることになりました。令和2年度は、記録にも記憶にも残る大変な年度であったということができるでしょう。
    さて、3月といえば春です。木々が芽吹き、花を咲かせる春です。

    石走(いわばし)る 垂水(たるみ)の上の さわらびの 萌(も)え出(い)づる春に なりにけるかも(志貴皇子)
    (岩の上をほとばしる滝の上の蕨が萌え出でる春になったことだなあ)

    万葉集の巻八の冒頭を飾る志貴皇子(しきのみこ)の懽(よろこび)の御歌一首との詞書があります。春を待ちびる人々の心を、清冽で力強い滝の水のほとばしりと、蕨の生命の躍動たる芽生えを見事に歌うことによって表した巻の最初を飾るにふさわしい一首だと思います。
    日本人は古来より自然の植物や動物の、季節の移り変わりによる些細な変化をしっかり観察し、生活の糧とし、また、精神的な喜びとしてきました。気温が下がることによって生活に多くの制限が加わる「冬」が終わり、「春」が来た兆しを感じることは、この上ない喜びだったでしょう。
    世界は今、新型コロナウイルスのパンデミックのまっただ中にあり、皆さんは不安とともに毎日の生活を送っています。しかし、やがて冬の季節は終わりをつげ、必ず春がやってきます。三寒四温という言葉もありますが、コロナも一進一退をくり返しながら終息に向かっていくことでしょう。今はただ、春の気配を大きく瞳を開いて見つけることにしましょう。いずれやってくる本当の春が、雪解けのようにコロナ禍を溶かしきるまで。

    令和3年2月

    新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言発令下に、2月を迎えました。いつもなら国府宮はだか祭のことを話題にしますが、今年は、はだか男によるもみ合いが中止されたこともあって、別のお話をさせていただきたいと思います。
    「正常性バイアス」についてです。正常性バイアスとは、認知バイアス(傾向・偏向)の一種で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりするといった人間の特性のことです。自然災害や事故、事件など自らに被害がおよびそうな状況であっても、それをいつもの日常生活の延長線上の出来事としてとらえてしまい、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小に評価してしまう傾向のことを言います。大規模災害時の逃げ遅れの原因となるとされ、東日本大震災や平成26年の御嶽山噴火時の実証的な研究もあります。
    一方で、正常性バイアスは人間の心にとって必要なメカニズムで、日々の生活の中で生じる予期せぬ出来事や、まったく新しい事象に出会った時、過剰に反応して心が疲弊しないように備わっているとも考えられています。
    新型コロナウイルスに対して緊急事態宣言が発令されても、昨年の発令時のように市中の人出が減少しないことが問題になっています。若者への街頭インタビューで彼らが「どうせ、り患しても重症化しないから」とか「自分として十分な対策をとっているから」と言っているのを聞くと、正常性バイアスが働いているなと私は思います。
    昨年の経験から、自分は罹らない、罹ってもたいしたことにならないと思うのは、人間の心の働きとして普通なのかもしれませんが、新型コロナウイルス感染症患者の実態が明らかになるにつれ、若者も重症化することがあり、決して罹っても大丈夫ではないことが分かってきました。
    今は国民が心を一つにして、新型コロナウイルスに立ち向かっていくときです。ウイルスに対し過度に敏感になることはいけないかもしれませんが、正しく恐れ、これ以上感染が拡大しないようみんなで協力していきましょう。
    現在、国を挙げてワクチン接種に向けた準備が進められています。本市でも体制が整い次第、優先順位を付け、順番に接種を進めていく予定です。

    令和3年1月

    明けましておめでとうございます。
    コロナ禍中に迎える新年ですが、市民の皆さんにとって健やかで幸福(しあわせ)が実感できる年でありますようにお祈りいたします。

    「あらたまの 年の若水 くむ今朝は そぞろにものの 嬉しかりけり」(樋口一葉)
    意味:「元日の朝に汲む水の清らかさに、新年の気配を感じ、なんとなくうれしい気分になる」

    以前にも一度書いたことがありますが、若水(わかみず)とは元日の朝に汲む水のことで、この水を飲んだり、この水で煮炊きをすると、一年の邪気が払えるとされていました。どちらかというと薄幸の印象のある樋口一葉の短歌ですが、新年の清々しさを歌った私の好きな歌です。
    さて、樋口一葉は現行の五千円札の肖像ですが、令和6年に発行される予定の新五千円札の肖像は同じく女性の津田梅子になるようです。津田梅子は満6歳で渡米した明治の帰国子女で、女性の地位向上に尽力し、津田塾大学の創設者として有名です。
    梅子は津田塾大学の前身「女子英学塾」の開校式の式辞でこう述べたといいます。「真の教育には物質上の設備以上に、もっと大切なことがあると思います。それは、一口に申せば、教師の資格と熱心と、それに学生の研究心とであります」
    本市では、今年3月末までに小中学生一人一台のタブレット端末が配置されます。物質上の設備は整うわけです。この多額の国費や市費を投入したタブレットを有効に活用するためにまず教師の熱心、そして、児童生徒の研究心が大切であるとあらためて思いました。
    時代はどんどん進み、科学技術は進歩します。しかし、いつの時代でも忘れてならないのは人の心の熱さ、向上心、研究心です。
    新しい年、向上心を忘れず、市民の皆さんとともに熱き心で市政運営に取り組んでまいります。

    令和2年12月

    11月22日投開票の市長選挙の結果、2期目4年の任期を務めることになりなした。
    これからもよろしくお願いします。
    12月、第3波といわれる新型コロナウイルス感染症拡大の中で迎えた師走です。忘年会、クリスマスパーティーなど、みんなで楽しく集まることが増える季節ですが、今年はそうはいきません。東京都の小池知事がおっしゃったように「5つの小」に心がけてください。「小人数」「会食時間は小一時間」「小声で会話」「小皿に取り分ける」「小まめな換気・消毒」です。また、会食中も会話をするときは、マスクをするなど感染対策には最大限の注意を払ってください。
    今年は新型コロナウイルス感染症の対応に追われた一年であったともいえます。しかし、この感染症が気づかせてくれた社会の弱点も見えてきました。ウイルスはこの社会の弱点を突いてきました。グローバル化の弱点であったり、あらゆるものを流通させるネットワークの弱点などです。
    しかし、この挨拶で何度も申し上げていますが、人類は歴史上何度もこういった感染症と闘いながらここまで発展を遂げてきました。医学や公衆衛生学、科学技術の発展がきっとこの危機を乗り越える方法を示してくれることでしょう。
    来年、令和3年はどんな年になるか、だれにも予測できませんが、本市としても新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証としての東京2020オリンピック・パラリンピックが開催され、市内で聖火リレーが予定通り行われることを切望し、本年最後のあいさつといたします。
    皆さん、良いお年をお迎えください。

    令和2年11月

    11月1日は、昭和33年に稲沢市が市制施行して62回目の市の誕生日です。今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、盛大にお祝いすることができませんので、規模を縮小して式典を開催いたします。

    数年前、秋の一日に奈良県の壺阪寺を訪れたことがありました。壺阪霊験記で有名な、眼病にご利益があるというお寺です。あるお堂を訪ねると、インド独立の父ガンジーの「七つの社会的罪」と題することばが目に入りました。
    「理念なき政治」
    「労働なき富」
    「良心なき快楽」
    「人格なき学識」
    「道徳なき商業」
    「人間性なき科学」
    「献身なき信仰」
    の七つです。
    政治に携わっている私には「理念なき政治」が心に突き刺さりますし、商売も行っていたので「道徳なき商業」も心に響きました。同じように、富める者、快楽を求める者、学者、科学者、信仰をもつ者にとっても強く自制を求めることばです。確かな理念を持つことなく、選挙で票を集めることだけを考えている政治家に対しても反省を迫ります。
    私はガンジーのような聖人ではありませんが、市民を幸福(しあわせ)にするという理念をしっかり持って、政治に取り組み、全力で市政運営に励みます。

    令和2年10月

    秋です。コロナ禍の下での秋ですが、勉強にも身が入る秋です。
    政府は、GIGAスクール構想ということで全小中学生にひとり1台のパソコン端末を配備する方向性を示し、稲沢市においても今年度中に各校に無線LANを整備して、約11,000台強のタブレットを子どもたちが活用できる環境を整えます。
    パソコンを利用したIT教育は現代版「読み」「書き」「そろばん」といえるかもしれません。認知能力の拡張とも言い換えることができるでしょう。一方で最近、子どもたちに必要なのは非認知能力だとよく言われます。非認知能力とはどんなものなのでしょうか。東京大学の汐見稔幸名誉教授によると、魚捕りに例えると、罠をひたすら作り続ける集中力、罠を改善したり、仕掛けるポイントを考える直感力、魚が捕れなくてもあきらめない忍耐力、失敗してもまあいいかと思える楽天性、友達と協力する力、間違ったことをしたら素直に謝ることのできる正直さ、これらが非認知能力だとわかりやすく述べています。これからの世界、これまで誰も経験したことのないさまざまな事象が次から次へと現れることでしょう。これらの課題に対応できる基本的な能力が非認知能力だといってもよいのではないでしょうか。またこの能力を身につけることができるのは幼少期だとも言われます。保育や幼児教育の大切さがこの点においても確認されつつあります。
    これからの時代、教育のICT化はますます加速します。しかし、これをツールとして操ることができるのは人間です。幼少期に親が愛情を注いでやることができれば一番いいのですが、そういう環境にない子どもたちに行政が何をしてあげられるのかをしっかりと考えなければなりません。AIに取って代わられることのない人間になるためにも「非認知能力」がこれからの教育を語るキーワードです。
    本市においても「子育て教育は稲沢で」を掲げ、子どもたちが健やかに育ち、将来を担える人材を育めるよう「非認知能力」を高める教育に取り組んでまいります。

    令和2年9月

    20年前のこと、憶えていますか。
    20年前、平成12年(西暦2000年)9月11日から翌12日にかけてこの地方をかつてない規模の豪雨が襲いました。7日ごろから停滞していた秋雨前線を台風が刺激し、その暖湿気流が前線に向かって流れ込んだため、名古屋市では11日の日降水量が428ミリ(平年の月降水量の2倍)、12日までで合計567ミリの降雨があり多くの河川が氾濫し、多数の住宅が水に浸かりました。一般的にいう東海豪雨です。
    稲沢市においても、11日午前2時から12日午後4時までの累計雨量328ミリ、11日夕刻には最大時間雨量74ミリを記録しました。時間雨量74ミリは滝のような降り方です。被害として旧稲沢市の分しかわかりませんが、床上浸水211世帯、床下浸水1,145世帯、負傷者1名、主要道路において27か所が冠水、うち7か所で通行不能になりました。河川も、青木川、大江川、福田川、土吐川、三宅川の5河川で越流し、避難者数も72人に上りました。
    稲沢市においては幸いなことに東海豪雨以来小規模な自然災害はあっても、大規模災害は起きていません。9月1日は防災の日です。「天災は忘れたころにやってくる」という言葉があるように、地震、台風、豪雨などは、昨今の世界的な異常気象等を見るといつ起きてもおかしくありません。
    市のホームページに掲載している洪水ハザードマップや防災マップ等を基に家族で豪雨被害について話し合うのもいいでしょうし、避難所の位置や避難の仕方、家族同士の連絡の取り方について確認することも大切です。大規模災害が稲沢を襲っても、人命が失われることなく、被害が最小限で抑えられるよう、防災・減災対策に取り組んでまいります。

    令和2年8月

    新型コロナウイルス感染症第2波が襲い掛かってきたかのような感染拡大が続いています。市内でも4月21日以来となる感染者が、7月24日、25日と連続して確認されました。ともに20代の若い方で、症状も軽いと聞いています。しかし、安心していてはいけません。この第2波と思われる感染拡大は、20代、30代の方の感染率が高いのが特徴ですが、症状がない感染者が無自覚で市中を移動し、基礎疾患のある方や高齢の方を感染させてしまうことが、一番恐ろしい事態の引き金となると考えます。若いからといって、無謀な行動をとらず、不要不急の外出を避け、手洗い、手指消毒、マスクの着用など基本的な対策を徹底していただきたいと思います。
    一方で、コロナ禍を契機に行政として今後進めなければならないことがいろいろと見えてきました。行政や教育のデジタル化の推進です。例えば、ひとり一律10万円の「特別定額給付金」給付事業ですが、マイナンバーカードとスマホがあれば、手間のかかる郵送でのやり取りではなくオンラインで申請は可能でした。本市では対象世帯数55,348件のうち、オンライン申請利用者は1,279件(7月20日現在)と2.3%程度にとどまっています。政府が進めようとしているマイナンバーカード取得推進策は思うようには進んでいないのが現状です。ただ、今回の給付金事業でも、ほとんどの市民がマイナンバーカードを持ち、それが個人の預金口座とひも付けされていれば、どれほどスムースに事業が終了していたかと思うところです。
    また、窓口業務のオンライン化があります。市役所の窓口に来なくても可能な行政手続きをできるだけ増やすことが、課題として大きくクローズアップされてきました。感染の機会をできるだけ減らす非接触型の窓口の拡大です。
    そして、学校の長期休業に対応したオンライン授業のあり方についても、今年度、全小中学生に配置しようと考えているひとり1台PC端末の利用方法とともに重要な課題となってきました。ICT教育を推進できる人材の育成についても心配な点はいくつもありますが、世界的に遅れているデジタル教育の推進を、コロナ禍をきっかけに一気に進めていきたいと政府も考えているようですし,私もそう思っています。いつの時代にもその時々の課題はありますが、災いを社会が前進する好機ととらえることが大切だと思います。

    令和2年7月

    6月19日に、新型コロナウイルス感染拡大防止策としての県をまたぐ移動自粛の制限が解除されて、人々の移動が本格的に再開されました。
    芭蕉は「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」と「奥の細道」の冒頭で語っています。簡単に言えば、人生は旅のようなものだという意味ですが、芭蕉はその後、やむに已まれぬ気持ちになって旅立つ様子を綴っています。
    旅は楽しいものですし、見知らぬ景色や事物を見ることは心をときめかせます。私もこの移動自粛期間、旅することができなかったことが心の晴れぬ原因の一つとなっていました。
    交通手段の発達で世界中どこへでも、いつでも行くことができる時代となりました。しかし、この移動のグローバル化が、新型コロナウイルスのような感染症の拡大や広範囲化の速度をかつてなかったほど早めたものと思われます。
    英語には、旅行を表す単語が3つほどあります。トリップ、トラベル、ジャーニー、それぞれ旅の長さなどによって使い分けられているようにも思われますが、「奥の細道」の英語訳が訳者によって違う色合いを見せていてなかなか興味深いものがあります。ドナルド・キーンは、冒頭の部分を「The months and days are the travellers of eternity」と訳していますし、「The passing days are eternal travellers in time」という訳もあります。どちらも旅人はトラベラーと訳しています。また「馬の口とらえて老をむかふる者は、日々旅にして、旅を栖(すみか)とす」の部分の旅は、ジャーニーと訳しているものと、トラベルと訳しているものがあります。一日二日の小旅行をトリップ、一般的な旅行をトラベル、日本語の「旅」というような、それから得る教訓、成長、進歩などを比喩的に語るときなどはジャーニーを使うように思われます。
    話が横道にそれていきましたが、今回のコロナ禍で、旅行業、観光業は、大きな打撃を受けています。世界的なパンデミックが一日も早く収束し、多くの人々が世界中を飛び回ることができるよう心から祈っています。そして旅が、再び人生に潤いを与え、人生を振り返るきっかけになることを期待してやみません。
    今年の夏休みは、市内小中学校においても短いものとなります。旅行に出かける機会が例年よりは少ないかもしれませんが、新しい生活様式を遵守した旅を心がけてください。

    令和2年6月

    毎年6月1日には、稲沢あじさいまつりが始まり、性海寺歴史公園は多くの観光客で賑わうところですが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となりました。色鮮やかなあじさいを見てもらうことができなくて残念でなりません。
    さて、4月16日以来全国に出されていた新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が5月25日に全面的に解除されたことに伴い、愛知県独自の緊急事態宣言も26日に解除されました。
    社会経済活動を段階的に再開できる環境が整ってきたということです。しかし、緊急事態宣言解除前と根本的に違うのは、アフターコロナの新しい社会は、当面ウイルスとの長い闘いが継続していく社会であり、ウイルスと共存していかなければならない社会だということです。
    政府は「新しい生活様式」を提案しています。新しいといっても特別なことではなく、これまで実践してきた「不要不急の外出の自粛」、「三つの密の回避」、「人と人の距離の確保」、「マスクの着用」、「手洗いなどの手指衛生」などの徹底です。いつまでこんな面倒なことが続くのかと、お嘆きの方もみえるかと思いますが、多くの専門家が言うように、有効な治療薬が完成し、感染者の致死率や重症化率が下がるとともに、ワクチンが開発され、多くの国民が集団免疫を獲得しなければ、かつてのような日常生活は取り戻せないかもしれません。
    4月の挨拶でも書いたように、今回の出来事が我々に与えられた試練であったとしても、人類の歴史の中でも幾度かあったウイルスとの闘いの一つです。英知を結集すれば乗り切ることはできるはずです。新型コロナウイルスとの闘いの先頭に立つ市長としての決意を新たにし、市民生活を守る施策をこれからも進めてまいります。

    令和2年5月

    5月7日~5月31日

    4月10日放送のNHK朝のテレビ小説「エール」で、ヒロイン音(おと)が歌う「朧(おぼろ)月夜」にほろりと来たのは、私だけではないでしょう。

    菜の花畠(ばたけ)に 入り日薄れ

    見わたす山の端(は) 霞(かすみ)ふかし

    春風そよふく 空を見れば

    夕月(ゆうづき)かかりて におい淡(あわ)し

    里わの火影(ほかげ)も 森の色も

    田中の小路(こみち)を たどる人も

    蛙(かわず)のなくねも かねの音も

    さながら霞(かす)める 朧(おぼろ)月夜

    唱歌「朧月夜」の歌詞です。

    ドラマ中、学芸会本番でかぐや姫を演じた音は、月に帰るとき「できれば、おじいさんおばあさんと一緒に年を重ねていきたかった。でもこれでお別れです。さようなら。」と父の死とセリフを重ね「朧月夜」を歌唱しました。その頬には涙が…。

    世界中が新型コロナウィルスの恐怖に怯えているとき、美しい自然や人々の変わらぬ営みの大切さをしみじみ感じ、いずれ大きな声で「朧月夜」を歌うことができる日が来ることを念じ、5月のあいさつといたします。

    5月1日~5月6日

    新緑が目にも美しい季節です。
    自然の営みとは裏腹に、新型コロナウイルスの世界全体の感染者数が、4月27日時点で300万人、感染による死者数が20万5000人を超えたことが明らかになりました。
    4月29日から始まった大型連休は5月6日の振替休日まで続きます。緊急事態宣言下の連休です。例年であれば家族で海外へ、国内のレジャー施設へ、あるいは故郷への帰省で家族や親族と久しぶりに顔を合わせることもできるのがこの休みです。
    ここでもう一度、市民の皆さまにお願いしたいと思います。
    政府は不要不急の外出を控え、人と人の接触率を8割削減したいといっています。せっかくやや頭打ちになってきたように思われる感染が、この大型連休で、人の移動によって大都市から地方に広まることが一番懸念されます。
    「ステイホーム」「お家にいよう」
    スーパー等への買い物も、密を避け、家庭内の代表者が3日に一回程度にしていただきたいと思います。
    一刻も早い収束のため、稲沢市でも経済支援策を実施し、市民の皆さまを援助していきます。
    どうか今、自分にできることをしてください。それが感染拡大防止や医療崩壊阻止につながります。よろしくお願いします。

    令和2年4月

    令和2年度が始まる4月に、通常であれば希望に満ち溢れた挨拶をするところですが、今年度に限っては、世界中に深刻な被害をもたらしている新型コロナウイルス感染症について申し上げざるをえません。
    人類は紀元前の昔から幾多の感染症と闘ってきました。WHOは3月11日、新型コロナウイルス感染症がパンデミック(世界的大流行)期に入ったという認識を示しましたが、人類はこれまでにも、天然痘(15世紀コロンブスの新大陸上陸によりアメリカ大陸で大流行、50年間で世界人口が8000万人から1000万人に減少したといわれる)、ペスト(14世紀のヨーロッパで「黒死病」と呼ばれ、ヨーロッパだけで全人口の4分の1から3分の1にあたる2500万人が死亡したといわれる)、新型インフルエンザ(これまでにスペイン風邪、アジア風邪、香港風邪などが大流行し、特に1918年のスペインかぜの大流行では世界人口18億人のうちで4000万人以上が死亡したと推定される)と闘ってきました。また、新興感染症といわれるものでは、1981年以降のエイズ(後天性免疫不全症候群・HIV、過去20年間で6500万人が感染し、2500万人が死亡)、2002年のSARS(重症急性呼吸器症候群、9ケ月で患者数8093人、774人が死亡)などと対峙してきました。
    そのうち天然痘については、次のような話があります。名著「銃・病原菌・鉄」のジャレド・ダイアモンドによれば、1532年スペインの将軍ピサロが、60人の騎兵と106人の歩兵で、皇帝アタクルパ率いる8万の兵を有するインカ帝国に勝利しました。スペイン軍が書名の通り鉄剣、鉄製の甲冑、わずか12丁だけの銃、馬を持っていたこと、そしてさらにスペイン人たちが持ち込んだ天然痘のウィルスにより多くの住民だけでなく、前皇帝のワイナ・カパックなど指導階級の人々も死亡し、国全体が大混乱をきたしていたことなどが原因であると考えられています。
    しかし、この天然痘は今や人類が完全に克服した唯一の感染症とされており、1980年にWHOは世界根絶宣言を発しています。
    人類の英知は、19世紀後半以降、感染症をもたらす病原体やその対処方法について急速に研究を進め、主だった感染症については克服し死亡数は激減しました。
    ただ、今回の新型コロナウイルスのような新興感染症はいつ、どんな形で我々を襲ってくるかわかりません。しかし、これまでの歴史で明らかなように、人類はこの危機をすべての力を結集して乗り切ることでしょう。明けない夜はありません。

    お問い合わせ

    稲沢市役所 総合政策部 秘書政策課 秘書グループ 

    愛知県稲沢市稲府町1番地

    電話: 0587-32-1123 ファクス: 0587-23-1489

    お問い合わせフォーム

    〒492-8269 愛知県稲沢市稲府町1
    開庁時間 月曜から金曜 午前8時30分から午後5時15分まで
    (祝日、休日、年末年始を除く。一部、開庁時間が異なる組織、施設があります)
    代表電話:0587-32-1111 ファクス:0587-23-1489
    法人番号:7000020232203

    © Inazawa City.

    チャットボットに質問する。