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あしあと

    稲沢のむかしばなし 麦つくりとバクチ(稲沢市井之口町)

    • [更新日:]
    • ID:2601

    井之口町は、市の東南の方向にあり、大きな会社やショッピングセンター、それに住宅開発が、行われているところです。ここには東プールや武道館、それに消防署などがあります。
    「ことしもまた、いねかりがたいへんじゃのう」
    「このあいだの雨が、まだのこっているからなあ。ぐちゃぐちゃあで、なんともならんわい。」
    明治のなかごろのこと、井之口町いまの東プールのあたりは、とちがひくく、雨がふるとすぐに水がたまってしまい、なん日も水がひかなかった。
    そんなある日、村の年よりたちがあつまって、そうだんした。
    「どうだろう。ひとつ川でもほって、この水を大助川へ、ながすようにしたら」
    「そりゃあ、ええ考えじゃ。雨がふっても、水がたまらずにすむからのう」
    「水がつかなかったら、麦をまくこともできるしなあ」
    「麦がとれりゃあ、ちょっとはくらしも楽になるかも、しれねえ」
    話がトントンびょうしまとまって、村中におふれをだした。
    ところが、おもわぬところから、反対の声が出てきた。
    それはわかものからだった。
    そのわけは、今までわかものたちは、米づくりをしない冬のあいだ、あそんでくらしていた。田畑へしごとに行くふりをして、バクチをやっていた。だから、川をつくられると、冬に麦をつくらにゃあいかんし、バクチもできんようになってしまうからだった。
    さっそくみんなは、あつまって話をした。
    「どうしたらええもんかいなあ―。友蔵さん。」
    わかもののかしらである友蔵さんは、しばらく考えていった。
    「みんな聞いてくれ。今、わしらの村は米づくりだけにたよっている。しかし、水はけがわるく、あまり米がとれないんだ。こんど川をつくれば、水はけがよくなりしゅうかくもいちだんと、多くなるはずだ。それに麦もつくれるようになるし、ねがってもないことだ。みんなの気もちも、わからんではないが、もっとはたらく方に、力を入れてはどうだろう。」
    わかものの中には、反対するものもいたが、友蔵さんはみんなをせっとくした。
    秋のとり入れがおわってから、川のそうじがはじまり、やがてかんせいした。その後このあたりは、二毛作がおこなわれるようになり、たくさんの米や麦がとれるようになった。
    反対したわかものも、あせをながして、はたらくよろこびをしり、それいごは、バクチをしなくなったということです。

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