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あしあと

    稲沢のむかしばなし ゼロ戦(稲沢市増田町)

    • [更新日:]
    • ID:2532

    いまから36年前、太平洋戦争のころ。世界は、あちこちでドンパチ・ドンパチと、ころし合いをつづけていた。アメリカは、日本へせめこみ、ゲンシバクダンを二つおとした。こうして、戦争のおわる少し前のとき、稲沢の東南のはずれにあった、ヒコウ場のお話です。
    ヒコウ場には、憲兵さんがいて、だれも入れませんでした。でも、こわい憲兵さんも、日曜日は休みでした。
    それを知った増田村の太郎少年たちは、草にかくれ、はらばいになって、ヒコウ場を見に行きました。
    「おい、ヒコウキって、どえらい大きいなあ」
    「ほんまに。どうして、あんな大きなテツのかたまりが、空をとぶのだろう」
    「ふしぎだのお」
    と、子どもたちは、ヒコウキのとぶのが、ふしぎでたまりませんでした。
    戦争もはげしくなり、稲沢にもバクダンがおとされるようになりました。
    そんなある日のこと。きゅうに、太郎のおとうちゃんら村人は、道づくりをはじめました。
    太郎たちは、おとうちゃんに、どうして道をつくるのか、たずねました。でも、だれも教えてくれません。太郎たちは、つまらなくなって、神社のあそびばへ行くことにしました。
    しばらくすると、おとなたちは、休みをとりに神社へやって来て、うわさ話をはじめた。
    「なんでも、ゼロ戦が村に来るそうだなも」「ヒコウ場に木でつくったのをおいて、ひっこすそうだ」
    あとでわかったことですが、大きな町では、毎日バクダンがおとされ、人々は、にげまどうだけだったそうです。
    いよいよ、ゼロ戦が村にやってくる日。太郎は、ほとんどねれませんでした。ちょうど、えんそくの日みたいな気もちです。太郎は、朝ごはんを食べると、すぐ外へとび出した。神社へ行くと、ほかの子どもたちも、新しい道を見つめていた。
    トラックにひかれて、兵隊さんにまもられて、ゼロ戦はやってきました。そして、五人の兵隊さんが、ゼロ戦をまもるため、村にのこりました。

    太郎たちが、毎日のぞきに行ったけっか、ヒゲの兵隊さんが、パイロットとわかりました。少年たちの間で、“ヒゲおじさん”とパイロットはよばれました。
    ゼロ戦が来てから太郎は、朝おきるのをゼロ戦のエンジンの音を聞いてからと、きめていました。
    “ヒゲおじさん”は、子どもたちの人気ものでした。そして、ヒゲおじさんは、子どもたちに、空をとぶ楽しいお話をしてくれました。
    戦争はおわった。
    “ヒゲおじさん”は、子どもたちに見おくられながら、村を出て行きました。太郎は、ヒゲのおじさんにわかれをつげ、神社へとやって来ました。
    「戦争のばかやろォ!おとなたちのばかやろォ!」
    太郎は、なみだをこらえきれません。
    「戦争なんか、戦争なんか、にどとやるものかあ!」
    よっぽど“ヒゲのおじさん”とわかれるのが、太郎にはつらかったのでしょう。太郎の心の中に、にがい思い出となって、いまでものこっているという話です。

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