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あしあと

    稲沢のむかしばなし 姉宮のなげき(稲沢市今村町)

    • [更新日:]
    • ID:2566

    明治時代のはじめごろ、外国から、はたおりのきかいが、つたわりました。ちょうどそんなころ、いまの今村町では、二つのお宮を一つにしようという話が、もちあがりました。
    これは、二つのお宮のおねえさんにあたる東春日社にまつわる話です。
    今村では、100年ほど前から、はたおりをする、のうかがあらわれた。やがて、日本のきんだいかがすすむと、せんいさんぎょうが、さかんになってきた。このようななかで、今村でも、のうぎょうをやめて、はたおりだけをする人たちが、あらわれた。
    そんなある日、庄屋さんの家で話しあいが、おこなわれた。
    「きょう、あつまってもらったのはなも。みんなで、村にある二つのお宮について話しあって、ほしかったからじゃ」
    「村にお宮は、一つでええ。二つもいらん」
    「わしも、そう思う。まつりのたびに、お金もかかるし、ムダが多いでなも」
    「そうじゃ、そうじゃ」
    ということで、お宮を一つにすることにきまりましたが、村はまっ二つ。
    「東春日社は、あねさんじゃ。一つにするなら、ひがしのお宮さんにすべきじゃねゃあか」
    「そんなこといかすか。村ぜんたいのこと考えりゃあ、西春日社にきまっとるがなも」
    こうして話はまとまらないまま、一か月がすぎた。その間、村では、お宮の話でもちきりで、けんかする人もでるしまつ。
    けっきょく、村のほぼまん中にある西春日社に決まった。それから一か月がすぎ、姉宮の東春日社は、とりこわされ、あとかたもなくなった。
    それからというもの、村では、へんなことばかりつづいた。
    はたをおっていても、プッ・プッとよく糸がきれる。やっと、ぬのになっても、ひどいできあがり、というありさまです。はたやのなかまが、あつまると、
    「きのうは、ひでえできだったのお」
    「どえらい金を、そんしたでなも」
    という話ばかり。
    半年もたつと、佐吉さんの家は、はたをおるのをやめてしまった。
    「きっと、姉宮さまが、ないておられるだ」
    「そうじゃ、むかしから、わしらをまもってくれたお宮さまじゃったからのお」
    このような話が、村でうわさされるようになると、心ある人たちは、宮のあとをおはらいしてもらうことにした。そして、宮あとの石を、家にもちかえり、かみだなにまつったということです。
    それからは、しょうばいが、じゅんちょうに、いったということです。
    いまも、村人のまつったセキヒが、東春日社のあとちにのこっています。

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