稲沢のむかしばなし 矢合観音の誕生(稲沢市矢合町)

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ページID1003076  更新日 平成31年1月25日

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イラスト:矢合観音の誕生

矢合町の「矢合観音の誕生」というお話です。
今から、百数十年も前のこと。修行をするため、全国をめぐっていた、ひとりの巡礼が、矢合というところを通りかかった。
「あーあ、きょうも日が暮れてしまった。どこか泊まるところを探さなければ。おや、家の明かりが見えるぞ。よし、たのんでみよう」
巡礼は明かりに向かって、急いで歩いていった。
「こんばんは、旅をしている者でございます。どこでもかまいません。一晩、泊めてやってください」
この声を聞いて、そっと戸を開けた主人。うすきたない巡礼の姿を見て、
「すまねえ。泊める場所がないんだ。わるいが、ほかの家をあたってくれ。」言い終わるが早いか、ビシャっと戸をしめてしまった。
「この家は、なんと冷たいんだ。きっと、ほろびるにちがいない」巡礼はふり返りながら、つぶやいた。
今度は、本郷村のある家に行き同じように頼んだ。
「夜分、申し分けない。一晩泊めてやってくだせえ」主人は、とてもやさしい人だったので、こころよく泊めてやった。次の朝、巡礼は泊めてもらったお礼にといって、小さな木の箱をおいて、旅立っていった。主人は、なにだろうとふしぎな顔をしながら、そっと開けてみた。中には小さな観音様がはいっていた。
「あのかたは、きっとえらいお坊さんにちがいない。ありがたいことだ」と主人は、朝晩、毎日手を合わせた。これが、現在の観音様なんです。泊めることをことわった家は、最後、さいなんが重なり、みんな死にたえてしまった。
この観音様、”矢合のおまじない”とよばれ、いろいろな病気にきくということで、お祈りにくる人は、多いんですよ。

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