稲沢のむかしばなし 水てんぐう(稲沢市平町)

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ページID1003070  更新日 平成31年1月25日

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イラスト:水てんぐう

平町に伝わる「水てんぐう」というお話です。
今から120年も前のこと、平村に吾作という、百姓が住んでおった。吾作は村一番の働きもので、毎日、毎日、日の出前から田畑をたがやし、夜もちょうちんをもって村の田畑を、見回って歩くのが、日課だった。
ある年の九月の終わりのこと。
今年も豊作をお祈りする、お祭りが神社で行われた。
おじいちゃん、おばあちゃんから、小さな子どもまで、一週間あまりもつづけられ、ごちそうを食べたり、お酒をのんだりして、あそんでいた。
吾作は、今夜もひとり、田畑をまわっていた。
そして、星いっぱいの夜空をながめながら、つぶやいていた。
「この村は、いったいどうなっているんだ。みんな大切な仕事をわすれて、バカさわぎばかりやっておる。よーし、すこしオキュウを、すえてやろう」
次の朝から、どうしたことか、太陽がギラギラと照りつづき、田や畑は、みるみる干しあがってしまった。
「えらいこっちゃあ。稲や野菜が、みんな枯れちまったあ。どうしたらええだろう」
村の人たちは、困りはてていた。そのうち、だれかが言った。
「そうだ、働き者の吾作に聞いてみよう」
みんなは吾作の家に行った。すると吾作はいった。
「こりゃあ、空がこげるまで火をたいて、雨乞いするより、手はねえ」
村の人たちは、村中のもえるものを、全部あつめて、空がまっかになるまで、もやしつづけた。
そして、四日目の朝、突然空がまっ黒になり、大つぶの雨が、たたきつけるようにふってきた。
村の人たちは、うれしさのあまり、雨の中をおどりくるった。
「雨じゃ、雨じゃ、水てんぐう様の雨じゃ、ありがたいことじゃ」
この雨によって、作物は生きかえった。それから村の人たちは、今までのことを深く反省し、仕事に精を出すようになった。そして、水にこまるようなことも、なくなったということです。

このページに関するお問い合わせ

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