市指定文化財 絹本著色三千仏図
三千仏図は、仏名懺悔会の本尊で、この法会は毎年12月19日より3日間、宮中や諸国国分寺で過去・現在・未来にあらわれるおびただしい数の諸仏の仏名を唱えることにより、無限の罪障を消除する功徳に欲しようとするもので、平安時代前期に宮中で行われた仏名会に始まる。当時は、16巻仏名経に基づく一万三千仏であったが、後に三劫三千仏名経に改められ、三千仏となった。
本図は中台に右手を挙げ、左手に膝上に安んじる釈迦如来を描き、これをもって現在世の主尊にあてるかとみられるが、いっぽう中台の周縁に53体の小仏を配置する点から、無量寿経の碇光仏以下53仏にこれを擬する見解ともみうけられ、本図の主尊名については、他の2幅が失われているため、断定できない。本図は伝統的な絵仏師による宗風摂取の顕著な事例とみなされ、南北朝中期頃の作例として貴重である。
- 名称
- 絹本著色三千仏図(ケンポンチャクショクサンゼンブツズ)
- 文化財区分
- 市指定文化財
- 種別
- 絵画
- 時代
- 南北朝
- 員数
- 1幅
- 管理者
- 萬徳寺(マントクジ)
- 地区
- 小正
- 所在地
- 稲沢市長野三丁目
- 指定・登録日
-
平成4年11月2日指定
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