市指定文化財 木造阿弥陀如来坐像
桧材一木造。内刳なし。漆箔(下地)。彫眼。
肉髻相を表し、螺髪を彫出。白亳相を表し、耳垂は環状で、三道を彫出する。顔を前に向け、衲衣を偏袒右肩に着けて結跏趺坐する。右腕は肘を下にして前に屈し、掌を前に第一、二指を合わせて他は伸ばす。左腕は肘を下にして前に屈し、掌を上に第一、二指を合わせて他は伸ばし、脚上に置く。
構造は両体側部を含み頭体共木の一材からなり、背面に板材を当て、両脚部材、裳先材を矧ぐ。右腕は肘、手首で左手は別材の袖口に差し込む。その他、地付部に小材を貼り廻す。
本像は近世の修理による漆箔が品質、技術とも粗悪で、しかも剥離、浮き上がりがひどく彫刻面を覆い隠し、印象を損ねていた。その漆箔層を除去したところ当初の彫刻面が比較的健全な状態で現れた。頭体各部のバランスが良く、形の崩れも少ない。顔はやや地方色はあるものの端正で、肉身は穏やか、衣文も繊細で整っている。全体に細身で締まっており、幾分古様を感じさせ、構造的にも古式である。これらを勘案すれば、制作年代は11世紀末から12世紀初頃と推定される。
- 名称
- 木造阿弥陀如来坐像(モクゾウアミダニョライザゾウ)
- 文化財区分
- 市指定文化財
- 種別
- 彫刻
- 時代
- 藤原
- 員数
- 1躯
- 管理者
- 禅源寺(ゼンゲンジ)
- 地区
- 稲沢
- 所在地
- 稲沢市稲葉一丁目
- 指定・登録日
-
平成13年11月1日指定
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