平成30年3月

 3月といえば、官公庁にとっては年度終わり。学生さんにとっては卒業シーズンということで、しめくくりと別れの季節とも言えます。稲沢市でもこの月末で多くの職員が定年退職となり、職場を去ることになります。長い間、稲沢市で市民のために仕事をしてきた皆さん、ご苦労様でした。
 公務員の仕事といえば、黒澤明監督の映画「生きる」を思い出します。
 市役所で市民課長を務める渡辺勘治は、定年を前にして、毎日書類の山に機械的に判を押すだけの無気力な毎日を送っていた。ある日、医師の診察を受けると軽い胃潰瘍だと告げられるが、実際には胃がんだと悟り、死への恐怖から一時の放蕩に走るが、虚しさだけしか残らない。そんな時、市役所をやめて玩具会社の製造員に転職をしようとしていた若い女性部下の小田切とよと、偶然に行き合う。幾度か食事を共にするうちに「あなたも何か作ってみたら」という発言に、心を動かされ、市役所に戻る。これまでの事なかれ主義的な生き方を反省し、市民からの陳情書に目を通し、様々な困難にくじけず小公園建設に奔走し、ついにそれを完成させ、雪の降る夜、公園のブランコに乗って息を引き取る。
 公務員の仕事は、法令や規則、前例等に縛られ、もちろん自分の自由になりません。小さい事業を自分で営んできた私からすれば、決断が遅く、選択肢に自由度が低い。また、目的があっても、遠い将来のことであったり、抽象的であったりして、目的に対する達成感が得られにくい。多くの仕事がルーティンワークで、自分の仕事が、全体の中でどんな位置を占めているのか、どの程度市民の役に立っているのか分かりにくいなどの問題を構造的に抱えています。しかし、仕事を通じて名も知らない多くの人々の役に立てたという感慨を持てるのも、公務員の仕事ならではと思います。「生きる」の志村喬演じる市民課長のようにはなかなかいきませんが、市民に感謝される仕事を、私も一緒になって行ってまいります。
 また、市民の皆さんも、努力している職員を見かけたら、「がんばってるね」と声をかけてやってください。彼らのやる気の背中をちょっとだけ押してほしいと思います。無理な注文かもしれませんがよろしくお願いします。

平成30年2月

 今年も早や1か月が過ぎ、2月を迎えます。
 2月は、稲沢市にとって国府宮はだか祭の開催の月であります。今年のはだか祭は、2月28日(水)の開催、月末の、しかも平日の開催で、来場者数が心配されますが、国府宮神社の御利益で、多くの方々が1年の厄払いのため稲沢市を訪れていただくことを期待しております。
 はだか祭は、旧暦1月13日の開催ですので、毎年開催日が変わります。皆さんは旧暦がどんな暦か知っていますか。人間が生活するうえで、その変化がよく見える月、この月が新月から満月を経て、次の新月に至る長さを基準とする暦。太陰暦と言いますが、1年の長さは約354日となります。ご承知のように地球が太陽の周りを1周して元の位置に戻るのを1年とする太陽暦は、1年が365.2422日ですので、太陰暦は太陽暦の1年に約11日不足し、季節と暦とが大きくずれていってしまいます。そこで2年から3年に1回、閏月(うるうづき)を設けて調整したのが太陰太陽暦で、これを旧暦と呼びます。

 年のうちに 春は来(き)にけり ひととせを 去年(こぞ)とやいわむ 今年(ことし)とやいわむ

 古今和歌集の冒頭にある在原元方の歌です。現代語に訳すと「年内に立春が来た この年を去年と呼んだほうがいいのか 今年と呼んだほうがいいのだろうか」
 暦と季節に関する微妙な気持ちを歌にしたものです。最近では、平成27年は、立春が2月4日、その日は旧暦では12月16日で、まさに年の内に春は来たのです。季節は、大まかには太陽と地球との関係で変化します。現代人は新暦で生活をしていますが、それでも季節と暦の差に違和感を持つことはたびたびあります。古代人なら尚更であったでしょう。
 はだか祭りの話から旧暦の話にとびましたが、はだか祭の開催日が、どうして大きく変わるのかという質問をよく受けますので、今月のお話とさせていただきます。この地方でははだか祭の日が遅い年はいつまでも寒いといわれます。皆さん、風邪など召されませぬように。

平成30年1月

 あけましておめでとうございます。
 市民の皆様にとって平成30年が良き年でありますようお祈り申し上げます。
 4月から始まる平成30年度は、市制60周年の記念の年であり、また第6次稲沢市総合計画(稲沢市ステージアッププラン)の開始年度でもあります。市にとって新しい時代の始まりの年に市政を担わせていただく責任を強く感じております。
 私は、正月の朝の凛として冷気に満ちた雰囲気が好きです。元旦の朝の行事に若水汲みがあります。元旦の朝、井戸から初めて組む水を若水と言い、神棚に供えます。その後その水で、年神様への供物や家族の食事を作ったり、口を漱いだり、茶を立てたりしたものです。朝早く、まだ人に会わないうちに汲みに行き、もし人に会っても口を利かないしきたりであったそうです。最初の水を若(わか)と表現するところが日本人らしいと感じます。
 市制60周年、60歳は人間でいえば還暦です。暦が一回りしたという意味です。若返って赤ん坊に帰るとも言われます。我が稲沢市も、もう一度気持ちを若返らせ、何事にも積極的にチャレンジする職場風土づくりに努めていきたいと思います。新総合計画のスローガンは「ステージアップ 稲沢」です。行政のすべての分野で、あるいは市民の皆様とのかかわりの各場面で、一段と高い次元の対応ができる稲沢市にしていきたいと考えていますので、市民の皆様のご協力をぜひともお願いいたします。


問合先 市役所秘書広報課

最終更新日 平成30年4月1日