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ようこそ教育委員会へ

〜教育長室から〜   
林 敏仁 教育長

   石の声を聴け

 日本には国宝に指定されているようなすばらしい城が数多くあります。そんな日本の名城を3月9日(金)BSで「城 戦の跡 夢の跡」と題して新日本風土記で紹介をしていました。
 鉄砲の戦いに適応した黒いとりでの松本城、優美な城が隠す鬼の顔を持った彦根城、火攻めを退ける白しっくいの壁の姫路城などの詳細な解説にとても興味深く見ることができました。
 その中で、敵を寄せ付けぬ武者返しの石垣を持つ熊本城の話に感動しました。
 熊本城の武者返しといわれる石垣を造ったのは、石工集団“穴太衆(あのうしゅう)”と呼ばれる職人たちで、滋賀県大津市坂本が発祥の地だそうです。その末裔は今でも健在で、穴太衆第15代統領は 粟田純徳 さんです。粟田さんは代々口伝で伝えられた石組みの技術を守り伝えています。不ぞろいの自然の石をそのまま積み上げ石垣を造る技法は、とても手間がかかります。形や大きさが違う石を使って不規則に積み上げられた石垣は、力が複雑に分散され崩れにくいのだそうです。このことは科学的にも証明されており、1uあたり250tの重さにも耐えるそうです。その頑丈さゆえに新名神高速道路の石垣に採用されています。石工職人の確かな技は、今の社会でも十分に通用するという証です。  
 石垣全体を裏から支える小さな石を「裏込石(うらごめいし)」といって、この小さな不ぞろいの石があるからこそ石垣は崩れないといいます。粟田純徳さんを石工職人として育てたのは祖父の粟田万喜三さんです。万喜三は、使い道に合った大きさや形の石を探し出すのに苦労している純徳さんを見ると、「石の声を聴け」「石の行きたいところに置いてやれ」と教え諭し、その言葉が口癖だったそうです。
 稲沢市では、この4月、1,174人の小学生と1,392人の中学生が入学し、11,897人の児童生徒が小中学校で学んでいます。熊本城の武者返しの石垣を見るとき、一人として同じ子はいないし、一人として無駄な子もいないとの思いを強く感じました。この一年、学校の先生に「子どもの声を聴け」「子どもの行きたいところへ行かせてやれ」という言葉を投げかけていきたいと思います。
平成24年5月        


市役所学校教育課

最終更新日平成24年5月1日